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CFRPとは?
CFRPとはカーボンファイバーで強化したプラスチックのことです。
CF : Carbon Fiber(炭素繊維)
R : Reinforced(強化)
P : Plastics(合成樹脂)
カーボンファイバーは5~10ミクロンの太さの極細繊維ですが、優れた力学的特性を持っています。
CFRPはその繊維を合成樹脂(一般的にはエポキシ樹脂)で固めたものです。
いまでも日本の古い家屋に見られる土壁は、粘土にわらを混ぜて作られていますが同じ発想です。
カーボンファイバーにはPAN系とピッチ系があり、弾性率、強度だけでなく、熱的特性など物理的性質でも多くの種類があります。
製品の性能要求を満たすために適したカーボンファイバーを選定します。希望の特性を得るためにPAN系とピッチ系を組み合わせて使うこともあります。
一般的なCFRP成形では、材料としてエポキシ樹脂マトリックスのプリプレグシート(一般的な厚みは0.1mmから0.3mm程度)を使います。
プリプレグシートには、一方向のみにカーボンファイバーを引き揃えたUD材と、タテヨコにファイバーを織り込んだクロス材があります。
成形品はUD材を同じ方向に積層して成形した場合と、タテとヨコに方向方向を変えて積層して成形した場合では、成形品の性能が大きく変わります。
又 カーボンファイバーにも多くの品種があります。
使う品種によって大きな性能差が出ます。
糸の品種・方向性で大きく性能の異なる製品ができます。
このことが規格品が流通しづらい要因となっています。
一般的には製品の要求性能により積層設計(糸の品種・方向性・マトリックス選定)を行います。
そして、お客様のご要求に見合う力学的物性の計画値をお示しして、試作・評価・採用と進むケースが多くあり、合理的・経済的と考えています。
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CFRPの物性比較
CFRPの性能
異方性材料 | 繊維方向に性能が発現(人間と一緒で、強化した筋肉(繊維)の質・場所・量・方向で、能力が生まれます。 つまり、金属・プラスチックと異なり、常に「材料設計」から製品作りが始まります。) |
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軽量 | 比重1.5~1.7(鉄の1/4以下) |
高強度 | 900~3000 MPa(鉄以上:S45Cは700MPa) |
高剛性 | 55~350 GPa(鉄:S45Cは200GPa) |
寸法安定性 | 3ppm以下という低熱膨張率(鉄の約1/4以下。アルミの約1/8以下。) |
振動減衰性 | 高い比剛性(鉄の5倍)による |
高熱伝導率 | 2~300 W・m/℃(アルミ:140 W・m/℃) |
各種材料の密度
各種材料の密度:弾性率
※一般比較であり実際は個々の積層設計によります。
ACMの製品紹介
CFRPパイプ
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・丸パイプ以外に各種形状のパイプ成形が可能です ・高精度の内寸・外寸・肉厚のパイプ成形が可能です ・ロボットハンド等に使用可能なパイプです |
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引張強度 | 98~2600 Mpa |
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引張ヤング率 | 49~390 Gpa |
線膨張係数 | 5×10-6/ ℃ 以下 |
密度 | 1.5~1.7 g/cm3 |
CFRP液晶パネル搬送ハンド
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・軽量・高剛性(実績:330 Gpa品) ・振動減衰性 ・写真は第6世代用ダブルアームです ・組立・調整を行いパッド面の平面度0.5mm以内 ・センサー・電磁弁等組込みも実施 |
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引張強度 | 250 Gpa |
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線膨張係数 | 0.1×10-6/ ℃ 以下 |
密度 | 1.65 g/cm3 |
重量 | 上ハンド:54kg / 下ハンド:32kg |
CFRP定盤
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・軽量定盤 ・CFリブ構造による中空構造品 ・高い寸法安定性(低線膨張率、高剛性) ・表面機械仕上定盤 ・サイズ 50t×1300mm×1700mm |
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CFRPシャフト
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・軽量・高剛性シャフト ・六角断面形状(中実) ・SUSジャーナル付き |
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引張強度 | 1100 Mpa |
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引張ヤング率 | 250 Gpa |
線膨張係数 | 0.2~0.3×10-6/ ℃ 以下 |
密度 | 1.65 g/cm3 |